都会から地方へ移り住み、セカンドライフを始める60代の女性が増えています。
特に独身女性は家族とのしがらみがなく、住み替えのタイミングや新たな生活の拠点を自由に選べるため移住に向いています。
しかし、移住生活にあこがれる60代の独身女性の中には、田舎でひとりでも暮らしていけるだろうかと不安に思っている人もいるでしょう。
この記事では、60代の独身女性におすすめの移住先をランキング形式で紹介し、田舎でひとり暮らしする際の注意点をお伝えします。
田舎へ移住する50代・60代の独身女性が増えている
2020年の国勢調査では、65歳以上のひとり暮らしの割合が17.4%で、前回調査の15.3%から2.1ポイント上昇しました。
60代のひとり暮らしが増加しているのは、定年を迎えた独身女性が地方へ移住し、新天地でセカンドライフをスタートさせていることも理由のひとつかもしれません。
また、50代・60代の独身女性が、地方に移住してのひとり暮らしを始めやすい環境が整いつつあることも要因として考えられるでしょう。
中年女性に寮付きの求人をおこなっている地方企業がある
地方には、移住を希望する中年女性に、求人を出している地元企業が複数あります。
求人の主な職種には、以下のものがあります。
- 宿泊施設
- 調理
- 警備
- 工場 など
それらの求人の中には、寮が完備されていて住み込みで働ける仕事もあります。
寮が完備されている仕事に就けば、住まいの心配をせずに移住先でセカンドキャリアをスタートさせられるでしょう。
移住者向けに求人を出している企業の多くは、中年女性の能力に期待し、活躍を支援しています。
移住希望者を支援する自治体がある
地方移住を検討するシニアに向けて、手厚いサポートを提供している自治体があります。
地域に移住者を迎え入れたい自治体の中には、これから移り住む人が新しい環境に適応しやすいように、さまざまな支援策を打ち出しているところもあります。
自治体が移住者向けにおこなっている支援策は、以下の通りです。
- 空家情報の発信
- 移住のお試し体験プログラム
- 補助金制度 など
移住支援の内容は自治体によって異なるため、希望する地域がどのようなサポートをおこなっているのか確認するとよいでしょう。
60代独身女性が田舎に移住するメリットとデメリット
田舎暮らしには豊かな自然に囲まれて、のんびりと生活を楽しめるメリットがあります。
一方、都会に比べて商業施設や公共交通機関が少ないなど、利便性の面で不満を感じることもあるでしょう。
60代独身女性の田舎への移住には、メリットとデメリットがあります。
田舎暮らしのメリット
60代の独身女性は、地方移住を始めるのに向いている年代だといえます。
若い世代と比べると、60代は豊かな人生経験により比較的ミュニケーション能力が高く、地域社会と溶け込みやすいという特徴があります。
また、十分な体力もあるため、移住先での生活に適応しやすいでしょう。
60代の独身女性が田舎で暮らすメリットには、次のものがあります。
都会の喧騒を離れて静かに暮らせる
田舎暮らしの大きな魅力の一つに、都会にはない静かで穏やかな環境が挙げられます。
都会の生活では、騒音やノイズが1日中絶えることがなくストレスを感じます。
しかし、田舎では車や機械から発せられる雑音にかわり、木々の揺れる音や、鳥のさえずりが心を癒やしてくれるでしょう。
田舎では豊かな自然の中で、リラックスした生活をおくれるメリットがあります。
生活のコストが抑えられる
田舎は都会に比べ、生活にかかるコストが抑えられる傾向があります。
家賃や不動産購入価格が都会よりも安いため、住居費を削減できます。
また、田舎には娯楽施設が少ないことも、支出を抑えられる要因です。
地元農家の直売品を購入したり、自家菜園を始めたりして、食費の節約も可能です。
生活に多くの費用がかからなければ、経済的な不安を感じずに日々をおくれるでしょう。
息子や娘を田舎に招待できる
田舎に移住すると豊かな自然に囲まれた住環境に、都会で暮らす息子や娘、孫たちを招いて、思い出に残る楽しい時間を過ごせます。
田舎の広々とした敷地に建つ家での宿泊体験は、ホテルや旅館とは違った開放感や安心感があり、遊びに来た家族にとって特別なものになるはずです。
田舎への移住によって、都会に住む子どもや孫たちに貴重な経験を与える機会を生み出せます。
田舎暮らしのデメリット
田舎暮らしは、自然の恵みを享受できる一方で、その厳しさに直面し恐れを感じることもあります。
また、田舎独特の人との関わり合いなども、都会からの移住者が困惑する要因の一つです。
60代の独身女性が田舎で暮らすデメリットには、以下のものがあります。
自然環境や気候が都会より厳しい
移住者に人気のある田舎の中には、積雪で雪かきが欠かせない地域もあります。
また、春から秋にかけては、虫や野生動物による被害に遭う可能性も考えられます。
田舎では、四季折々の移ろいを肌で感じられる魅力がある一方で、都会とは異なる困難さを経験するかもしれません。
田舎暮らしは、自然環境や気候がもたらす試練を乗り越えて初めて成立します。
積極的に地域に溶け込む必要がある
田舎暮らしでは、地域との関わりが重要です。
特に独身者は積極的に交流しないと、家族がいない分、孤立してしまう恐れがあります。
田舎暮らしで充実した生活をおくるには、近所付き合いや催しへの参加を通して、地元の人たちとの信頼関係の構築が欠かせません。
地元の人の多くは、新しい住人とコミュニケーションをはかりたいと思っています。
しかし、移住者は声をかけられるのを待つのではなく、一歩踏み出す勇気をもって自ら輪に加わる努力が求められるでしょう。
60代の独身女性が、地方移住の満足度を高めるためには、積極的に地域に溶け込む姿勢が必要です。
移動に車が必要な地域が多い
地方への移住を考える際、交通手段は重要な検討事項です。
都会では電車やバスなどの公共交通機関が発達しているため、車がなくても日常生活に困りませんが、地方では車が必須の移動手段となる地域があります。
特に、郊外や山間部などはバスの路線が少なく、電車の駅から離れた地域ではマイカーの有無が生活の質を大きく左右します。
移住する前に希望する地域の交通事情を事前に調べ、自分にあったライフスタイルを選択してください。
▶️車を所有していなくても生活できる移住先について詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください。
60代独身女性が移住先を選ぶ際の注意点
60代の独身女性が田舎暮らしを検討する際、移住の目的を明確にする必要があります。
また、イメージと実際に移り住んでからのギャップがなるべく起きないように、事前に移住先の情報収集も欠かせません。
60代の独身女性が移住先を選ぶ際の注意点は、以下の通りです。
移住前に仕事を探しておく
田舎では求人数が少ない地域も多いため、移住してから仕事探しを始めるよりも、移住前に就職先を見つけておくほうが安心です。
都会に比べると仕事の種類も限られるケースが多く、自分のこれまでのキャリアや業界の知識が活かせる仕事がない可能性もあります。
移住して田舎で就職するなら、希望の職種に固執せず、求人との折り合いをつけながら仕事探しをする必要もあるでしょう。
また、土地勘のない地域での仕事探しは、その地域の事情に詳しい就職エージェントを利用するのも有効です。
手厚い移住支援をおこなっている自治体を選ぶ
60代の独身女性が移住先を選ぶ際、自治体がどのような支援策をおこなっているかは重要な判断材料です。
自治体によっては、シニアの移住者を歓迎し積極的に受け入れているところがあります。
移住先候補をリストアップしたあと、各自治体の支援策についてHPを確認したり、実際に自治体に問い合わせてみたりするのもよいでしょう。
自治体の移住支援策には、以下のものが挙げられます。
- 就労支援
- 住宅支援
- コミュニティ形成支援
- 移住相談窓口の設置 など
自治体がどのような支援体制をとっているか調査し、自分にもっとも合う移住先を見つけてください。
病院や商業施設などの有無を確認する
シニア世代にとって徒歩圏内に医療機関や商業施設があることは、移住先の選択で重要なポイントです。
高齢になるほど、車よりも徒歩が主な移動手段になる人が増えます。
公共交通機関が整っていない地域では、車を運転できないと遠距離の移動が制限されてしまう場合もあるでしょう。
地方では都会よりも病院やスーパーなどの生活に欠かせない施設が少なく、利便性の面で劣る地域が多いです。
そのため移住先は、生活に必要な施設が自宅から徒歩圏内にあるか確認してから選んでください。
お試し移住や2拠点生活を利用していきなり定住しない
60代独身女性が都会から田舎へ移り住んでセカンドライフをスタートさせるなら、本格的な移住の前に「お試し移住」や「2拠点生活」をしてから決断するのがよいかもしれません。
お試し移住 | 一定期間移住先の地域に滞在し田舎の生活を体験する現地の雰囲気や生活環境を肌で感じられるため移住の不安を解消できる |
2拠点生活 | 平日は都会での生活を続け、週末に移住先で過ごすなど2つの場所を生活拠点にするライフスタイル都会と田舎の両方の利点を享受できるメリットがある |
定住する前の生活体験は、地域とのミスマッチを防ぎ、納得のいく移住先を見つけるのに有効な手段です。
60代独身女性におすすめの移住先ランキングTOP7
60代独身女性におすすめの移住先を、交通の利便性と自治体による支援体制の充実度を基準に、ランキングしました。
- 山梨県北杜市
- 栃木県小山市
- 長野県佐久市
- 埼玉県秩父市
- 静岡県伊東市
- 大分県大分市
- 沖縄県那覇市
1位:山梨県北杜市
北杜市は、山梨県北西部にある人口約4万5,000人(2024年2月1日現在)の街です。
北杜市の公共交通機関
北杜市には6つの駅があり、以下の2路線が通っています。
- JR中央本線
- JR小海線
公共交通機関は電車以外にも、コミュニティバスの「北杜市民バス」が多くの市民に利用されています。
北杜市の移住支援
北杜市が移住者へおこなっている支援策は、次の通りです。
北杜市では、「北杜市担い手農業者育成助成金」でシニアへの移住を積極的にサポートしています。
2位:栃木県小山市
小山市は、栃木県南部に位置する、人口が約16万6,000人(2024年4月1日現在)の街です。
栃木県で2番目に人口が多く、商業施設が豊富で住みやすさに定評があります。
小山市の公共交通機関
小山市には公共交通機関も発達していて、以下の路線が市内を走っています。
- JR東北本線
- JR水戸線
- JR両毛線
- JR東北新幹線
市内では自治体が運営するコミュニティバスの「おーバス」が市民の移動手段として活躍しています。
小山市の移住支援
小山市は移住支援に力を入れています。
自治体が打ち出している移住支援策は、以下の通りです。
小山市は都心から約80kmの距離にあるため、2拠点生活にも向いている移住先です。
3位:長野県佐久市
佐久市は群馬県との県境にあり、人口約9万7,000人(2024年4月現在)の街です。
佐久市の公共交通機関
佐久市には10の電車の駅があり、公共交通機関での移動が比較的便利です
電車の路線には、以下のものがあります。
- JR小海線
- JR北陸新幹線
佐久市では路線バスが市民の足となっており、次の会社が運行しています。
- JR関東バス
- 千曲バス・東信観光バス
2023年4月から、乗合公共交通「デマンドワゴンさくっと」の本格運行を開始しています。
佐久市の移住支援
佐久市では移住者支援として、以下の施策をおこなっています。
市内に2つの総合病院があり、医療施設も充実しています。
4位:埼玉県秩父市
秩父市は、埼玉県南西部に位置する人口約5万8,000人(2024年4月1日現在)の街です。
秩父市の公共交通機関
市内には11の電車の駅があり、以下の路線と通っています。
- 秩父鉄道秩父本線
- 西武鉄道西武秩父線
路線バスも3つの会社が秩父市内で運行しています。
- 西武観光バス
- 秩父市営バス
- 小鹿野町営バス
秩父市の移動は公共交通機関よりも車がメインであるため、申請時の年齢が59歳までの人に、軽自動車購入費助成金を支給して車の購入をサポートしています。
秩父市の移住支援
秩父市では65歳以上には、自治体がバスの回数券の購入費用を半額負担する「おでかけ楽々バス利用券」を交付して、シニア世代への支援をおこなっています。
5位:静岡県伊東市
伊東市は静岡県最東部の街で、約6万4,000人(2024年3月末現在)が住んでいます。
温暖な気候で過ごしやすく、冬に積雪はほとんどありません。
伊東市の公共交通機関
市内を走る鉄道は、以下の2路線です。
- 伊豆急行線
- JR伊東線
伊東市では、東海バスが路線バスを運行しています。
伊東市の移住支援
伊東市では移住者に、以下の内容の支援策をおこなっています。
- 伊東市お試し移住支援事業補助金
- 伊東市移住就業支援事業補助金
- 伊東市移住定住住宅改修支援事業補助金
伊東市は、積極的に移住者を受け入れています。
6位:大分県大分市
大分市は大分県の中部に位置する人口約47万3,000人(2024年3月末日現在)の街です。
大分市の公共交通機関
大分市には17の駅があり、以下の路線が通っています。
- JR豊肥本線
- JR日豊本線
- JR久大本線
路線バスは、以下の2社が市内を走っています。
- 大分バス
- 大分交通
大分市は65歳以上の人に「長寿応援バス事業」として、市内のバスを1乗車一律150円で乗れる乗車証を交付しています。
大分市の移住支援
大分市では移住者に以下の支援を実施しています。
大分市は移住を希望する人の就職を積極的に支援しています。
7位:沖縄県那覇市
那覇市は沖縄県の沖縄本島南部に位置し、約31万3,000人(2024年3月末現在)が住んでいます。
沖縄市の公共交通機関
市内には沖縄都市モノレール線や路線バスが通っており、交通の便が比較的よい街です。
那覇市の路線バスは、以下の4社が運行しています。
- 琉球バス交通
- 沖縄バス
- 那覇バス
- 東陽バス
沖縄市の移住支援
那覇市では、シニア世代向けに移住支援をおこなっていません。
しかし、日常生活でリゾート気分を味わえるため、60代の独身女性に人気の移住先です。
60代独身女性の移住先におすすめなのは?ひとりでも暮らせる人気の田舎ランキングまとめ
60代の独身女性が田舎へ移住するメリットとデメリットを解説し、おすすめの移住先をランキング形式でお伝えしました。
- 60代のひとり暮らしの割合は増加していて、独身女性は移住に向いている
- 60代独身女性の移住を支援する自治体がある
- 60代独身女性の田舎移住には、自然の中で静かに暮らせて生活コストが抑えられるメリットがある
- 60代独身女性の田舎移住には、厳しい自然環境の克服や移動に車が必要などのデメリットがある
- 60代独身女性が移住先を選ぶ注意点には、移住前に就職先を見つけておくことや「お試し移住」などで本格的な移住の前に生活を体験しておくことなどがある
- 60代独身女性の移住に適しているランキング上位は、公共交通機関が発達していて、自治体の移住支援策が整っている街
60代の独身女性には体力・気力が十分備わっており、新しい土地で生活を始めるのに適しています。
この記事が、セカンドライフを楽しむためのお役に立てれば幸いです。
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