タワーマンションは高層階からの眺望、最新設備の快適な居住空間、高級感漂うエントランスなど魅力であふれています。
ハイステータスな住居として人気の高いタワーマンションですが、実は、買って後悔している人もいます。
タワーマンションを買って後悔する理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、タワーマンションに住むデメリットと選んではいけない物件の特徴を解説します。
タワーマンションを買って後悔している人の割合
タワーマンションは住む人の快適性を追求して開発されており、多くの人が満足しています。
しかし、高い居住性を誇るタワーマンションでも、購入者の中には買って後悔している人もいるのです。
新宿区が2019年11月〜2020年2月に行った新宿区タワーマンション実態調査の「タワーマンションに住んでみてよかったと思いますか」というアンケート結果は、以下の通りです。
アンケート結果では「買ってよかった」人が90.5%、「よかったと思わない」人が3.5%、その他が6.0%です。
この調査は多くの人がタワーマンションを買ってよかったと感じていますが、中には後悔している人もいることを裏付けています。
タワーマンションを買って後悔している人の理由16
タワーマンションには1棟の高層建築に多くの人が住んでいるため、生活する上でいくつかのデメリットが生じます。
タワーマンションを買って後悔した人の理由には、以下のものがあります。
- 管理費が高い
- 修繕費が高い
- 共用施設を使わないともったいない
- 資産価値が下がる可能性がある
- エレベーターに待ち時間がある
- ゴミ出しが大変
- 荷物が受け取りづらい
- 運動不足になりがち
- インターネット回線が遅い
- ベランダに洗濯物が干せない
- 地震で長く揺れる
- 避難しづらい
- 地下に浸水して停電することがある
- 日差しが強くあたり暑い
- 子どもの転落の危険性がある
- 高層階は子どもの成長に影響を与える
1.管理費が高い
タワーマンションは豪華な共用施設を維持するために、一般のマンションよりも管理費が高いといわれています。
「平成30年度 マンション総合調査結果」によるとマンションの形態によって、以下のように管理費が異なると報告されています。
マンションの形態 | 管理費の平均金額 |
3 階建以下 | 1万4,965円 |
4〜5階建 | 1万6,892円 |
6〜10階建 | 1万5,307円 |
11〜19階建 | 1万6,155円 |
20階建以上 | 2万5,069円 |
この調査では20階建以上の高層マンションは、低層階のマンションに比べ、管理費の平均額が大幅に高くなっています。
2.修繕費が高い
マンションは定期的な大規模改修に備えて、所有者から修繕費を徴収しています。
タワーマンションは高層階の塗装や修理に、特別な足場の設置や専門性をもった修理会社への依頼が必要なため、一般のマンションより修繕費が高い傾向にあるのです。
「平成30年度 マンション総合調査結果」で、マンションの形態による修繕費の違いに関するデータが発表されています。
マンションの形態 | 修繕費の平均金額 |
3 階建以下 | 9,745円 |
4〜5階建 | 1万3,147円 |
6〜10階建 | 1万1,252円 |
11〜19階建 | 1万53円 |
20階建以上 | 1万2,305円 |
タワーマンションは、高層建築で割高になるのに加え、使用する建材に高品質なものを使用しているため修繕費が高額になりがちです。
3.共用施設を使わないともったいない
タワーマンションにはさまざまな共用施設があり、その分購入価格や管理費が高くなっています。
タワーマンションの代表的な共用施設には、以下のものがあります。
- 豪華なエントランス
- エレベーター
- 宅配ボックス
- オートロック
- ラウンジ
- フィットネスジム
- パーティールーム
- ゲストルーム
- コンシェルジュ など
共用施設には日常的に利用するものもあれば、人によって必要のないものもあります。
使わない共用施設があると、もったいないと感じる人は多いです。
4.資産価値が下がる可能性がある
タワーマンションは周辺に似た物件が建てられたり、立地するエリアの人気が下がったりなどの市場環境の変化で、資産価値が下落するリスクがあります。
高値で買ったタワーマンションの価値が下がり、後悔している人もいるようです。
そのため、新築時に高額で購入したマンションでも将来売却するときは、大幅に値下がりしてしまうこともあります。
5.エレベーターに待ち時間がある
タワーマンションの朝のエレベーターは混み合うため、待ち時間が発生する可能性があります。
出勤時のエレベーターの待ち時間は、かなりのストレスになるでしょう。
特に高層階に住む人ほどエレベーターで地上に降りるまでに時間がかかり、億劫に感じる人が多いです。
6.ゴミ出しが大変
タワーマンションでゴミ出し場が1階に設置されていると、捨てるのにかなりの手間がかかります。
高層階の住人ほど距離があるため、煩わしく感じるでしょう。
タワーマンションによっては、各階にゴミステーションが設置されている場合もありますが、そうでない物件はゴミ出しがかなり大変です。
7.荷物が受け取りづらい
タワーマンションの荷物の受け取りには戸建てや一般のマンションと比較して、多くの時間を要します。
宅配業者に荷物を部屋まで届けてもらう際、エントランスから玄関先に来てもらうまでに時間がかかります。
また、セキュリティを解除しなければならないなど、手間もかかってしまうのです。
宅配ボックスの利用が可能なタワーマンションもありますが、エントランスに設置されていることが多いため、高層階ほど荷物を取りに行くのが面倒です。
8.運動不足になりがち
タワーマンションは外出しづらいため、運動不足になる人もいます。
タワーマンションから屋外へ出るには、玄関を出て、エレベーターに乗り、さらにエントランスを抜ける必要があります。
ちょっとした買い物に行くにも外に出るまでにこの工程が必要なため、出不精になってしまう人もいるようです。
9.インターネット回線が遅い
多くの人が居住するタワーマンションは、インターネットの回線が遅くなるケースがあります。
タワーマンションのインターネットは、利用者が集中する夕方から夜の時間帯や土日に回線速度が低下することが多いです。
タワーマンションでは、インターネット回線を多くの居住者で共有するのが一般的であるため、回線速度にストレスを感じる場合があります。
10.ベランダに洗濯物が干せない
タワーマンションの高層階は風が強いため、洗濯物がベランダに干せないのは不便です。
高層階から洗濯物やハンガーが落下すると非常に危険で、ベランダなどの室外に洗濯物を干してはいけない規約になっているタワーマンションも多いです。
可能であれば洗濯物を日光で乾かして、熱や紫外線による殺菌や消臭効果を享受したいところですが、多くのタワーマンションではかなえられません。
11.地震で長く揺れる
タワーマンションは地震が発生すると大きな揺れが長く続きます。
大地震で長周期地震動が発生すると、地面の揺れとタワーマンションの揺れが一致し、大きく長く揺れることがあります。
揺れを抑えるための免震構造を採用しているタワーマンションもありますが、長周期地震動には効果が薄いです。
また、タワーマンションは地震に耐えるため、あえて揺れやすい構造になっています。
そのため、大きく揺れて家具や家財が転倒するなどの被害も発生しています。
12.避難しづらい
地震や火災などが発生するとエレベーターが停止するため、タワーマンションは災害時の避難がしづらいといわれています。
エレベーターが使えなくなると階段を使う必要があり、高層階ほど避難が大変です。
被災した際、できる限り被害を食い止めるために、住民が防災器具を取り扱えるような訓練も必要になるでしょう。
13.地下に浸水して停電することがある
タワーマンションの中には、地下に電気設備が配置されている物件があります。
電気設備が地面より低い位置にあると豪雨や洪水で浸水し、送電システムがダウンし停電になってしまう危険性があります。
実際に、2019年10月に関東地方を襲った台風19号の影響で雨水が地下に流れ込み、武蔵小杉市のタワーマンションの電気設備に浸水して機能不全になった事例が起きているのです。
タワーマンションで停電が発生すると、エレベーターが動かなくなったり、水道が使えなくなったりなど居住者に大きな影響を与えます。
14.日差しが強くあたり暑い
タワーマンションの高層階には太陽光を遮るものがなく、強い日差しを受ける部屋があります。
強い日差しは気温を上昇させるため、室内が異常に暑く感じられることがあるのです。
このような部屋は冷房が効きにくく、タワマンなどのコンクリート造の建物は熱が逃げにくいため、夜間でも室内の温度が下がらない場合があります。
目の前をふさぐ建物がないタワーマンションは、見晴らしがよいなどのメリットがありますが、太陽光を直接受けてしまうというデメリットもあります。
15.子どもの転落の危険性がある
タワーマンションでの暮らしは、子どもが転落する危険性をはらんでいます。
幼少期から高層階で生活していると高所に慣れてしまい、恐怖心が薄くなってしまうことがあるのです。
そのため、高さに危険を強く感じない子どもが、誤って転落してしまう事故が発生しています。
タワーマンションには美しい景色が見られたり、虫が少なかったりなどのよいところがある反面、転落のリスクもあるため注意して生活する必要があります。
16.高層階は子どもの成長に影響を与える
タワーマンションでの生活が子どもの成長に悪影響を与えるという研究結果があります。
東京大学医学部母子保健学教室が1996年に発表した「高層集合住宅の母子の健康」の中で、高層住宅に住む子どもは低層階の子どもに比べて発達に差があると報告しています。
研究結果では、住まいが地上から遠く離れているため母子が自宅に閉じこもりがちになり、家庭内での接触が増え母が子に干渉する頻度が高くなるためと指摘しているのです。
タワーマンションは外部との距離が遠いことが影響して、外出頻度が低下するため、意識的に屋外に出るようにすると子どもの成長にもよいようです。
タワーマンションを買って後悔しないための物件選びの注意点
タワーマンションは高額であるため、買って後悔するのは避けたいものです。
後悔なくタワーマンションを選ぶためのポイントには、以下のものがあります。
- 複数の物件を内覧する
- ランニングコストを計算する
- エレベーターの数を確認する
- 口コミサイトをチェックする
- ブランドマンションは資産価値が下がりにくい
- 費用対効果の高いリノベーション物件も検討する
複数の物件を内覧する
タワーマンションを購入する際は、複数の物件を内覧してから決断してください。
複数のタワーマンションを比較すると、自分の希望に合う物件に出会うチャンスが広がります。
理想の物件を見つけるための内覧のポイントは、以下の内容が挙げられます。
- 内覧を通じて実際に住んだときをイメージする
- 設備や内装の傷み具合を確認する
- 騒音などのトラブルがないか確認する
- オートロックなどのセキュリティシステムを確認する
- 疑問点があれば直接売主に質問する
内覧は実際の居住空間を体感できる機会なので、自分が生活したときをイメージして、その物件で理想の暮らしができるかを見極めましょう。
ランニングコストを計算する
タワーマンションは、購入後にかかる維持費も一般のマンションに比べて高額です。
購入する前にランニングコストを計算して、自分の収入に見合った物件であるかを確認してください。
タワーマンションのランニングコストの代表的なものは、以下の通りです。
- 住宅ローン
- 管理費・修繕費
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険・地震保険 など
タワーマンションの維持にかかるランニングコストが、収入に対して高すぎると生活を圧迫するため、購入前に計算して不相応な物件の購入を避けましょう。
エレベーターの数を確認する
タワーマンションに住む上でストレスになっているのが、通勤時間のエレベーターの混雑です。
通勤前のエレベーターの待ち時間は、仕事のモチベーションにも影響する可能性もあります。
エレベーターの数は、一般的に50戸に1台以上が目安とされています。
タワーマンションを購入する前に、必ずエレベーターの数を確認してピークタイムでも混雑しない物件を選びましょう。
口コミサイトをチェックする
タワーマンションを選ぶ際は、口コミサイトも利用してください。
マンションの口コミサイトは、マンションノートがおすすめです。
マンションノートは、マンションや地域に関する口コミが100万件以上登録されており、日々新しい口コミが投稿されています。
口コミにはユーザーの率直な感想が記されており、後悔しない物件選びの参考になるでしょう。
ブランドマンションは資産価値が下がりにくい
ブランドマンションは、比較的資産価値が下がりにくいといわれています。
ブランドマンションとは、知名度があり信頼性が高いと評価されているデベロッパーが手掛けるマンションです。
ブランドマンションの代表的なものは、以下の通りです。
ブランド名 | ディベロッパー |
パークマンション | 三井不動産レジデンシャル |
パークシティ | 三井不動産レジデンシャル |
パークホームズ | 三井不動産レジデンシャル |
プラウド | 野村不動産 |
プラウドタワー | 野村不動産 |
オハナ | 野村不動産 |
グランドメゾン | 積水ハウス |
ブリリアタワー | 東京建物 |
ブリリア | 東京建物 |
ブランズ | 東急不動産 |
ブランドマンションは利便性の高い場所に建設されていることが多く、管理体制も行き届いているため、築年数が経過しても資産価値が下がりにくい不動産です。
費用対効果の高いリノベーション物件も検討する
タワーマンションの内装は豪華で高級な設備も整っている分、価格も高いため購入できる人の数は限られています。
タワーマンションよりも低価格で、それに匹敵する住み心地を求めるなら、リノベーション物件を検討してみてはいかがでしょうか。
中古マンションを最新の間取りに作り替え、設備を刷新するリノベーションは、タワーマンションと同レベルの居住性をもとめたとしても価格は抑えられます。
タワーマンションの価格が高いと感じるなら、費用対効果の高いリノベーションマンションをおすすめします。
まとめ
タワーマンションを購入した人が後悔する理由について解説しました。
- タワーマンションを買ってよかったと思っていない人は1割程度いる
- タワーマンションを買って後悔した理由には管理費や修繕費が高いことが挙げられる
- タワーマンションにはゴミ出しが不便だったり、エレベーターの待ち時間があるなど高層建築ならではのデメリットがある
- タワーマンションは大地震によって発生した長周期地震動で長く揺れる
- タワーマンションを買って後悔しないためには、複数の物件を内覧し理想の住まいに出会うチャンスを増やす
- エレベーター待ちの少ない物件を選ぶために、50戸に1台以上設置されているかを確認する
- マンション専門の口コミサイトを利用して、ユーザーのリアルな感想を参考にする
タワーマンションは豪華なつくりで、居住性もよく、セキュリティ対策も優れています。
しかし、高層建築ならではのデメリットもあり、購入してから後悔している人もいます。
タワーマンションを購入する際は、自分の理想の生活をイメージして、それが実現可能な物件を選んでください。
「初期費用なし」
「後払い」でマンションの
リノベーション・査定アップ・
売却までを
専門家が一括サポート
リノアップは、「マンションをできるだけ高く売りたい」人のための、初期費用リスクなしでマンションのリノベーションから売却までをまるっと専門家にお任せできる、新しいワンストップサービスです。
本来初期投資として発生するリノベーション費用を「マンション売却後の後払い」にすることで、どなたでも初期費用を気にすることなく、低リスクでお手持ちのマンションの資産価値を高め、売却が可能となります。