「マンションの騒音を管理会社に相談しているが役に立たない・・・」
「騒音対策を管理会社が何もしてくれない」
マンションに住んでいると騒音が気になり、管理会社へ連絡することも多いのではないでしょうか?
そんな方へ向けてこちらの記事では、騒音問題を管理会社に相談しても役に立たない理由や管理会社の対応範囲などについて解説していきます。
騒音を管理会社に相談しても役に立たない理由
多くの方が悩む騒音問題。
管理会社に相談しても役に立たないという話はよくお聞きします。
実際にはどうなのでしょうか?
まずひとえに管理会社といっても
- 賃貸の管理会社
- 分譲マンションの管理会社
大きく分けて2種類になるのですが、それぞれ立場が異なります。
立場が異なれば、対応できる範囲も変わってくるためここを確認することが重要です。
賃貸と分譲マンションの管理会社の違い
そもそも賃貸と分譲マンションでは対応している範囲が異なります。
賃貸の管理会社であれば、居住者の入退去状況を管理していることが多いので、最悪の場合騒音を出している居住者に退去を命じることもあります。
(当然受任限度を超えていることや、正式な手続きを踏む必要があり時間がかかります)
一方分譲マンションの管理会社の場合、あくまで共用部分の管理となり、居住者を管理している訳ではありません。
あくまで分譲マンションの共用部分(室内以外の部分)の管理を委託しているだけとなるため、管理会社に退去を命じる権利はありません。
管理委託契約書にも「騒音などの対処をする」といった文言は記載されていないことが多いです。
賃貸と分譲マンションの管理会社は業務内容が異なるため、一概に騒音の相談をしても対処方法が異なってきます。
そのため、管理会社に騒音の問題を報告しても期待するような結果にならないことがあります。
その上で管理会社が役に立たない理由について解説していきます。
担当者による対応のばらつき
管理会社の担当者によって、対応の質や速度が異なります。
親身になってくれる担当者もいれば、消極的な対応をする担当者もいます。
このため、問題解決には担当者との相性や運も大きく影響することがあります。
当然管理会社でできる範囲というのがあるので、「対応してくれないから担当者が悪い!」と判断できる訳ではありません。
対応の限界
管理会社は、警察や法的な権限を持つわけではなく、基本的には注意喚起や配慮のお願いにとどまります。
例えば、騒音の原因者に対して「静かにしてください」とお願いする程度で、具体的な生活の制約を強いることはできません。
このため、根本的な問題解決には至らないことが多いです。
法的制約
管理会社が契約解除などの強硬な措置をとることは法的に難しく、特に賃貸借契約が絡む場合、入居者を簡単に追い出すことはできません。
大きな騒音問題でも、警察が何度も介入している場合や、他の入居者からのクレームが相次いでいる場合に限られることが多いです。
また借地借家法という法律の関係上、基本的に借りている人の立場の方が強いので、どんなに追い出したくても簡単に追い出せないという問題もあります。
管理会社の役割の誤解
一部の入居者は、管理会社が騒音問題に対してより積極的に介入することを期待していますが、実際には管理会社の役割は中立的であり、両方の住民の立場を尊重しながら慎重に事を進めることが求められます。
単純に騒音といっても、上階の人が騒がしくしている可能性がありますが、騒音を相談している方が神経質すぎる場合もあります。
そのため、「何もしてくれない」と感じる場合も少なくありません。
あくまで騒音は個人間の問題であるため、管理会社が解決できるというものはないということは把握しておきましょう。
対応の進め方
騒音問題に対して管理会社が積極的に対応するかどうかは、しつこく問題提起する住民に対してはより積極的に動く傾向にあります。
しかし、これが過ぎるとクレーマーと見なされる可能性もあり、バランスを取ることが重要です。
これらの点から、管理会社に騒音問題を相談する際には、適切な期待を持つこと、問題提起の仕方を工夫すること、そして最終的には自分でも対策を講じるなど、複合的なアプローチが求められます。
管理会社の基本的な対応範囲
管理会社の役割と基本的な対応について理解することは、マンションなどの集合住宅での生活において重要です。
ここでは、管理会社が騒音問題にどのように対応するか、どのような限界があるかを解説します。
管理会社の基本的な対応
管理会社の基本的な対応は以下の通りとなります。
注意喚起と配慮の依頼
管理会社は騒音問題に対して、主に注意喚起や配慮を依頼することができます。
例えば、「足音に配慮してください」や「テレビの音量を下げてください」といった内容です。
これらは直接的な干渉ではなく、一般的なマナーとしての要請に留まります。
法的権限の限界
管理会社は警察や弁護士ではないため、法的な力で入居者の行動を制限することはできません。
騒音の原因者に対して具体的な生活の制約を課すことは不可能です。
法的な介入が必要な場合は、その範囲でしか対応できません。
契約解除の可能性
騒音問題が契約上の禁止事項に触れる場合(例えば、「大きな音を出すことの禁止」が契約に含まれている場合)、管理会社は理論的には契約解除を進めることができます。
しかし、実際にはこのような措置を取るのは非常に困難であり、明確な契約違反が繰り返された場合に限られることが多いです。
管理会社の対応の現実
実際の管理会社の業務からみた対応としてはどのようなものになるのでしょうか?
管理会社の業務の実情からすると以下のような問題が挙げられます。
クレームの多さと対応
単一の世帯からのクレームではなく、複数の住人から同様の苦情が寄せられる場合、管理会社はより積極的に介入する傾向にあります。
入居率の低下や家主からの圧力がある場合も、管理会社は問題の解決に動きやすくなります。
また分譲マンションの場合、部屋ごとにオーナーがおり権利があるため、管理会社に指示する権利がある訳ではありません。
管理会社の判断基準
管理会社は基本的に中立的な立場を取ります。
そのため、騒音の苦情に対しては、双方の話を聞いて慎重に対応する必要があります。
これは、管理会社がどちらの住人も顧客として扱っているためです。
以上の点を踏まえると、管理会社に期待する対応の範囲を正しく理解し、問題が発生した際には適切なコミュニケーションを取ることが、スムーズな解決に繋がります。
マンション騒音の伝え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
騒音が本当にひどい場合は警察へ
騒音問題は集合住宅でよく発生し、解決が難しい場合もあります。
特にひどい騒音に悩まされている場合、管理会社への相談だけでは解決しないことがあります。
そのような状況では、警察の介入や法的措置を検討する必要があるかもしれません。
騒音が警察への通報事案となるケース
騒音が極端にひどい、または何度も繰り返される場合、それが「迷惑行為」として警察に通報することが適切です。
警察は騒音トラブルに対して具体的な介入を行うことができ、時には直接現場に赴いて状況を確認し、必要に応じて警告や指導を行います。
明らかに上階で暴れている、室内で暴力が行われているといった危険もあるため、ひどい場合は警察に相談することをおすすめします。
警察通報のメリットとデメリット
警察の通報するメリットとデメリットには以下のような点があげられます。
メリット
- すぐに専門的な介入が得られるため、問題が短期間で解決する可能性があります。
- 法的な権威を持つ警察が介入することで、騒音を起こしている住民が行動を改めることが期待できます。
デメリット
- 警察が介入すると、場合によっては近隣住民間の関係がさらに悪化することがあります。
- 騒音の問題が一時的に収まる可能性はあるものの、根本的な解決には至らないことが多いです。
法的措置への進展
騒音問題が解決しない場合、さらなる法的措置として調停や訴訟を検討することがあります。
これには次のようなステップを経て進める必要があります。
調停
双方が話し合いを行い、第三者の調停員を交えて解決を図る方法です。
これにより、裁判に比べて低コストで時間も少なく解決を試みることができます。
訴訟
調停で解決しない場合、裁判所に訴えを起こすことになります。
これは時間もコストもかかるため、最終手段とされます。
騒音問題で警察への通報や法的措置を検討する際は、それらの方法がもたらす影響をよく理解し、適切なタイミングで行動することが重要です。
また、管理会社とも連携を取りながら、問題の状況や解決の可能性を評価することが望ましいでしょう。
騒音トラブルはなぜ起こるのか
騒音トラブルがマンションなどの共同住宅で頻発する原因は、主に以下の三つです。
騒音問題が簡単に解決しない理由にもつながっているので、ひとつずつ確認していきましょう。
明確な音の基準がない
騒音の判断基準は非常にあいまいで、何デシベル以上を騒音とするかについても一概に定義されていません。
例えば、40デシベルは図書館の静けさに匹敵し、60デシベルは洗濯機の動作音程度とされますが、これが騒音と感じるか否かは、建物の立地や環境、住人の感じ方によって大きく異なります。
またデシベル測定器を使って騒音を調べることがありますが、エアコンの風でも近づけて測定すれば60デシベル以上測定されることがあります。
一時的に高いデシベル数が出ているからといった受任限度を超えているとも判断できず、何をもって騒音とするかの判断が難しくなります。
個々の音に対する感受性の違い
騒音に対する個人の感受性は大きく異なり、同じ音でも「気になる人」と「気にならない人」が存在します。
生活スタイルの違いも影響し、例えば夜型の人は深夜の洗濯機の音を気にしないかもしれませんが、早寝の人にとっては大きな問題です。
また、音の種類によっても感じ方が異なり、話し声は許容できても、足音や電化製品の音は特に気になるという人もいます。
音の発生源の勘違い
騒音の発生源を特定することは非常に難しく、しばしば誤解が生じます。
例えば、上階からの音と思われていたものが、実際には斜め上や別の方向からの音であることがあります。
特にマンションの場合、配管が多いため、音の発生源が原因の場合があります。
また、物音一つを取っても、その原因が生活音なのか、建物の構造的な問題なのか判断が分かれることが多く、誤った対応をすると本来の問題を見逃してしまう可能性があります。
これらの理由から、騒音問題はその複雑さから簡単には解決できない問題となっており、管理会社にとっても対応が難しい課題となっています。
騒音問題の対応には、建物の特性を理解し、住民の声に耳を傾けつつ、公平な立場で慎重に対処することが求められます。
騒音を管理会社に相談しても役に立たない理由まとめ
騒音問題はマンションやアパートなどの集合住宅でよく発生するトラブルの一つですが、これを解決するために管理会社に相談しても期待通りの結果が得られないことが多いです。
今回の記事では、騒音問題を管理会社に相談しても役に立たない理由や管理会社の対応範囲などについて解説してきました。
対応の限界
管理会社は警察や弁護士ではなく、基本的には中立的な立場を取ります。
そのため、騒音問題に対しては住民間の注意喚起や配慮の依頼といった限られた対応しか行えません。
具体的には、チラシ掲示や電話での注意呼びかけが主な対策で、住民の私生活に深く介入することはできません。
法的制約と契約内容
管理会社が騒音を理由に住民の契約を解除することは法的にも困難です。
賃貸契約において、騒音が直接的な契約違反と認められるケースは少なく、具体的な違反行為がない限り契約解除に踏み切ることはほぼ不可能です。
そのため、騒音問題が続いても積極的な介入が難しいのが実状です。
担当者の資質と対応のばらつき
管理会社の担当者によって対応に大きな差が生じることがあります。
親身になってくれる担当者もいれば、投げやりな対応をする担当者もおり、問題解決への姿勢が一貫しないことも多いです。
これが住民にとっては不満の源となりがちです。
管理会社の対応能力
管理会社ができる対応は基本的に軽微なものに限られ、深刻な騒音トラブルに対して効果的な解決策を提供することが難しいです。
また、管理会社は多くの物件を扱っており、一つ一つのクレームに対して時間を割くことが難しいのも事実です。
誤解
騒音の発生源についての勘違いもしばしば起こります。
住民が指摘する騒音の源泉が正確でない場合、管理会社は誤った対象に対策を施すことになり、問題が解決しないばかりか、新たなトラブルを生むこともあります。
これらの理由から、管理会社に騒音問題を相談しても、解決に至らないことが多いのです。
騒音問題が深刻であればあるほど、住民自身で対策を講じるか、最終的には法的手段を検討することが必要かもしれません。
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