引越しで子どもの転園が必要なとき、希望する保育園に入れないことがあると聞いて不安に思っている人は多いです。
人気の認可保育園は、年度始めでないと空きがなく新たな園児を受け入れていない場合があります。
そのため、年度の途中に引越すと保育園に入れないケースも見受けられます。
引越しすると保育園に入りづらくなるのは、なぜなのでしょうか。
この記事では、引越しで保育園に入れない理由と、保活を有利にする申し込みの流れを解説します。
引越しで保育園に入れない理由
引越しで保育園に入りづらいのは、空き状況や自治体が定めた入園の基準が影響するなど、さまざまな理由があります。
子どもを希望する保育園に転園できない原因には、以下のものが挙げられます。
保育園に空きがなく募集していない
引越しで保育園に入れないもっとも多い理由は、転園のタイミングで空きがなく園児を募集していないことです。
保育園に空きがあれば、ほとんどのケースで入園できるでしょう。
新年度を迎える時期は、多くの園児が入れ替わるため募集しますが、年度の途中だと新たに園児を受け入れる空きがない場合があります。
引越しで保育園に入れるかは、希望する園の空き状況によるところが大きいです。
住民票を変更していないと選考に影響する
市町村を越えて引越しする際、住民票を変更していないと、選考に影響して希望の保育園に入れないことがあります。
住民票は転居後に移すのが一般的です。
そのため、引越し前に保育園の転園を申請すると、その時点では自治体に住民票がないため、選考に不利にはたらく恐れがあります。
同時期に入園希望者が重なった場合は、住民票がある人を優先する自治体が多いといわれています。
自治体の設けた判断基準をクリアしている方が優先されやすい
保育園の選考は、入園希望者の家庭の事情を自治体の判断基準に基づき点数化して、高い点数をとる人ほど優先度が高くなる仕組みです。
そのため、保育の必要性の点数が相対的に低い入園希望者は、保育園に入りづらい傾向にあります。
保育の必要性をはかる点数は、基準点数と調整点数の合計で表します。
基準点数は母親と父親の仕事の勤務時間や健康状態などが点数化されます。
- 就労日数・就労時間
- 病気や障害の有無
- 介護が必要な家族の有無
- 妊娠中
- 就学中 など
調整点数は、兄弟姉妹の有無や同居している子どもの面倒を見られる親族がいるかなどの家庭環境を反映します。
- ひとり親
- 兄弟が同じ保育園に通っている
- ベビーシッターを利用している
- 認可外保育園を利用している など
判断基準は各自治体によって異なるため、どのような状況だと点数が高くなるかは一概にいえません。
保育園の種類
働く親が子どもを預ける保育園には、厚生労働省が認可したものや自治体が所管するものなど、さまざまな種類があります。
保育園の種類には、以下のものがあります。
- 認可保育園
- 認可外保育園
- 幼稚園
- 認証保育所
認可保育園
認可保育園は厚生労働省から認可を受けた施設で、公立と私立の両方があり、設備や職員数など国が定めた基準をクリアしています。
認可保育園の特徴は、以下の通りです。
- 3〜5歳までの子どもは保育料無償
- 0〜2歳児の住民税非課税世帯の保育料は無償
- 多くの認可保育園は敷地が広く子どもが駆け回れる園庭がある
国が認可しているため安心感があり、3〜5歳児のすべての子どもの利用料が無償なので、認可保育園に入園を希望する人は多いです。
認可外保育園
認可外保育園は国が定めた基準は満たしていませんが、都道府県知事によって許可を受けた施設です。
認可外保育園には、以下の特徴があります。
- 国からの認可を受けていないため、独自の教育方針をもった保育園がある
- 保育の無償に上限がある
- 敷地がややせまい施設が多い
- 駅周辺などに立地し子どもを預けやすい保育園もある
認可外といえども、文部科学省の「認可外保育施設指導監督基準」に基づいて運営されており、安心して子どもを預けられます。
幼稚園
幼稚園は3歳から小学校入学前までの児童を受け入れる、文部科学省が管轄の教育施設です。
1日あたりの保育時間は4時間で、夏休みなどの長期休業日もあります。
幼稚園の特徴には、以下のものが挙げられます。
- 「幼稚園教育要領」にそって教育が行われる
- 通常保育終了後に預かり保育を実施している園もある
- 小学校入学前に勉強のための準備ができる
- 3〜5歳児は月額上限2万5,700円まで保育料無償化の対象
幼稚園は学校としての意味合いが強く保育時間が短いため、両親がフルタイムで働くケースでは利用しづらいかもしれません。
認証保育所
認証保育園は東京都が独自に設けた制度で、大都市の事情にそって小規模の施設であっても開園可能にしています。
また、東京都以外の自治体でも認証保育所は広がりを見せており、全国で増加しています
認証保育所の特徴は、以下の通りです。
- 1日13時間以上開所している
- 0歳〜小学校入学前の児童が対象
- 保育料は施設ごとに異なる
- 3〜5歳、0〜2歳の住民税非課税世帯は、上限額の設定はあるものの保育無償化の対象
認証保育所は、地域の特性にあった保育事業を行っているためニーズが高まっています。
引越しで保育園に入る際の手続き
引越しで希望する保育園へスムーズに転園するためには、申し込みの手順や必要書類について押さえておく必要があります。
保育園に転園する際、押さえておくポイントは次の通りです。
- 申し込みの手順
- 必要書類
申し込みの手順
引越し先が決まり、子どもの保育園の転園を円滑にすすめるために、申し込みの手順を把握することは重要です。
転園手続きは引越しの準備と並行して行うため、綿密にスケジュールをたてましょう。
必要書類
転園の申請には勤務先の人事部に依頼する書類があり、段取りのよい準備が必要です。
転園の必要書類には、以下のものがあります。
- 入園申込書兼保育の必要性の認定に関する申込書
- 就労証明書(自営業の場合は就労状況申請書)
- 入園・転園あっせんに関する確認票
- 健康状況申告書
- 年間給与証明書・年間収入申告書
書類の記入用紙の多くは自治体のホームページからダウンロードできるものが多いです。
就労証明書は、発行までに時間がかかる可能性があるため余裕をもって準備しましょう。
引越しで転園する前の確認事項
引越し先でスムーズに保育園に入るために、事前に確認しておくべき内容があります。
転園の前の確認事項は以下の通りです。
- 希望する保育園の空き状況
- 管外協議制度の有無
- 救済措置の有無
希望する保育園の空き状況
引越しが決まったら、転園を希望する保育園に空きがあるかを確認してください。
保育園に空きがあるときは転園できる可能性が高いため、空き情報は保活にとって重要な確認事項です。
空き状況の確認は、希望する保育園や自治体の保育課へ問い合わせが可能です。
自治体によっては、各保育施設の空き状況をウェブサイトで公表しているところもあります。
管外協議制度の有無
引越し先の市町村が、管外協議制度をとっているかについて、確認しておくとよいでしょう。
管外協議制度のある自治体では、住民票がないと保育園の申し込みを受け付けてくれない可能性があります。
その場合、引越し後に住民票を移してからでないと保育園に入園の申し込みができないため、保活の段取りの変更が必要です。
救済措置の有無
管外協議制度のある市町村でも救済措置のある場合は、住民票を移していなくても申し込みが可能です。
保育園の管外協議制度で救済措置を受けるためには、引越し先の住所を証明する書類が必要です。
引越し先を証明する書類には、以下のものが該当します。
- 物件の売買契約書
- 賃貸契約書
救済制度のある自治体では転居前の保育園の申し込みが減点の対象にならないため、事前に制度の有無を確認しておきましょう。
引越しで保育園に入れないときの対処法
引越し先で希望する認可保育園に入れないときは、速やかに認可保育園以外の申し込みを行ってください。
もし、同時期に認可保育園の選考にもれた人がいると、落ちた人同士で認可外保育園の枠を争うことになり、早く申し込んだ方が優先的に入園できるからです。
認可保育園以外の選択肢は、以下の通りです。
- 認可外保育園に転園する
- 3歳以上なら幼稚園も検討する
- 認証保育所に入る
認可外保育園に転園する
認可外保育園は国の認可を受けていない施設で、認可保育園よりも比較的空きがある場合が多いです。
引越し先の認可保育園に落ちたときは、認可外保育園の転園も検討しましょう。
認可外保育園に通っていると審査点数が上がるため、次年度から認可保育園に入れる可能性が高まります。
また、認可外保育園は認可保育園に比べると規制にしばられない面もあるため、保護者のニーズに柔軟に応えられるケースがあります。
3歳以上なら幼稚園も検討する
認可保育園に入れなかったときは、幼稚園も検討してください。
幼稚園は3歳から小学校入学前まで預けられる教育施設で、保育時間が短いため認可保育園に比べて入りやすいといわれています。
幼稚園によっては延長保育を行っているので、働く人が子どもを預ける施設としても利用できます。
認証保育所に入る
認証保育所は自治体が認証した保育所で、0歳〜小学校入学前の子どもが入所可能です。
認証保育所は小規模の施設でも運営ができるなど、周辺エリアの事情に合わせた保育を行っています。
保育時間も比較的長いため、働く保護者のさまざまなニーズに応えられるのも認証保育所の特徴です。
引越しで保育園に入るための方法
引越し先の保育園に入るためには、入園希望者の選考に通過する必要があります。
保育園に入るための方法はいくつかありますが、多くの自治体に共通するものには、以下の内容が挙げられます。
- 審査点数を上げる
- 自治体の保活相談会を活用する
審査点数を上げる
認可保育園の入園希望者の選考は、保護者の勤務状況や家庭環境を点数化して審査点数が高いほど通過しやすくなる仕組みです。
審査点数の加点ポイントには、以下のものがあります。
- フルタイム勤務
- 認可外保育園に通わせている
- ベビーシッターを利用している
- 兄弟姉妹が同じ保育園に通っている など
入園希望者の多い保育園は、審査点数によって選考が左右される可能性が高いです。
自治体の保活相談会を活用する
保育園に入るための情報の入手先として、自治体が開催する保活相談会の活用をおすすめします。
保活相談会では、保育園の選考に関するさまざまな情報が得られます。
- 前年に選考に通過した人の審査点数のボーダーライン
- 入園希望者が多いエリアと少ないエリア
- 認可外保育園の情報
保活相談会の日程や開催場所は、自治体のサイトで確認しましょう。
通っていた保育園に転園を申し出るタイミング
引越しが決まって転園する際は、通っていた保育園に退園を申し出ます。
退園の手続きは前月の10日を期限にしている市町村が多いですが、2ヶ月前までに手続きしなければならないところもあるため注意してください。
今までお世話になった保育園に迷惑をかけないためにも、期日までに退園手続きを行ってください。
転園のあいさつは必ずする
転園が決まったら保育士やママ友、パパ友に必ずこちらからあいさつしましょう。
あいさつしないまま引越してしまうのは、印象がよくありません。
同じ市町村内の引越しなら卒園して小学校に入学すると、また顔を合わせる可能性もあるため、お別れのあいさつは必ずしてください。
子どもの心のケアに気をつかう
保育園の転園は子どもにとって大きなストレスをともなうため、心のケアに気を遣ってください。
引越しによる環境や人間関係の変化があると、小さな子どもは気持ちが不安定になることがあります。
引越しの際は、子どもの心の動きに注意して、話を聞いたり、スキンシップをとったりして不安を和らげてあげましょう。
引越しで保育園に入れないのはなぜ?保活を有利にする申し込みの流れを解説まとめ
引越し先で保育園に入れない理由と、対応策について解説しました。
- 引越しで保育園に入れない最大の理由は、空きがなく園児を募集していないから
- スムーズに転園するためには、申し込みの手順を把握しておく
- 希望する認可保育園に入れないときは、認可外保育園なども検討する
- 引越しで転園する際は、転居先の自治体の管外協議制度と救済措置の有無を確認する
- 入園の選考は審査点数が高い方が通過しやすい
- 保活相談会を利用すると有益な情報を得られやすい
- 退園の前にお世話になった保育士やママ友、パパ友にあいさつして別れ際の印象をよくする
引越しで希望する認可保育園に入れないときでも、認可外保育園や幼稚園など選択肢は閉ざされていません。
子育てと仕事を両立して豊かな生活を送るためにも、柔軟な対応を心がけましょう。
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