希望通りの賃貸物件を探すのは、簡単ではありません。
間取りや立地、家賃を決めて不動産会社に相談し、さまざまな部屋を内見しても、理想にかなった物件がすぐに見つからないことがあります。
賃貸を探す人の約3割が、物件探しを始めてから契約するまでに1ヶ月以上かかっています。
引越しの期日が迫っているのに、賃貸物件がなかなか決まらず、イライラしてしまう人は多いです。
この記事では、賃貸が決まらなくてイライラしてしまうときに、物件探しでやってはいけないことについて解説します。
賃貸の物件探しから契約までの平均期間
賃貸物件を探そうと決めてから、約7割の人が1ヶ月以内に契約までを済ませています。
一方、3割の人は1ヶ月以上の時間をかけて理想の物件を探している現状です。
新しい家に引越す際、理想を求め過ぎてしまうと、いくつもの不動産会社を回り多くの物件を内見するプロセスが必要です。
物件探しは、決定までの期限を決めて効率よく契約までのステップを踏むとイライラせずに済みます。
また、予定よりも早めに家が決まると、新しい家電やインテリアの配置を考えるなど、快適な新居にするための準備期間もつくれます。
賃貸が決まらなくてイライラしてしまうケース
ひとり暮らしであれば、自分の理想と妥協点のバランスをうまくとって賃貸物件を探せます。
しかし、家族やパートナーなどの意見を取り入れつつ探していると、なかなか条件に合う物件に出会えずイライラしてしまうことがあります。
賃貸が決まらなくて、イライラしてしまうよくあるケースは、以下の通りです。
- 子育てに適した環境や間取りの賃貸物件が少ない
- 同棲中のカップルで意見が合わない
- パートナーが物件探しをしてくれない
子育てに適した環境や間取りの賃貸物件が少ない
子育て世代にとって、住まいとその周辺環境が安全であるかは非常に重要です。
賃貸物件探しにおいて、立地や治安、間取りなど子どもにとってよい住環境であるかを重視する人は多いでしょう。
しかし、子育てに適している賃貸物件の数は比較的少なく、理想の部屋を見つけられずイライラしてしまいがちです。
スムーズに物件を探すには、子どもの成長にふさわしい条件を把握して、優先順位をつけてから探し始めることをおすすめします。
環境
賃貸物件を探す子育て世代にとって、周辺環境が子どもの成長に適しているかは重要事項です。
子育てに適した環境には、以下の項目が挙げられます。
項目 | 詳細 |
近くに子どもが遊べる公園がある | 外からの見通しがよい公園が安心して遊ばせられる |
保育園や小学校が近い | 親の送迎や子どもの通学の負担が軽減される |
近くに繁華街がない | 治安がよく静かな環境が子どもの成長によい影響を与える |
すべての環境がそろっている賃貸物件は少ないため、条件の優先順位をつけて探す必要があります。
間取り
小さい子どもを育てているファミリー層にとって、賃貸物件の間取りは重要です。
子どもが成長するにつれて理想の間取りは変わるため、広さや間取りの選択は子育て世代を悩ませています。
子育て世代が賃貸物件で重視すべき項目には、以下のものがあります。
項目 | 詳細 |
広さ | 2LDKや3LDKなどのファミリー向け物件がよい |
子どもが小さいうちは1階を選ぶ | 1階は子どもの足音や生活音が響きにくい災害発生時も避難しやすい |
防音性に優れた構造 | 子どもの声やリコーダーなどの楽器から出る音が遮断できる防音性に優れた部屋が望ましい |
和室のある間取り | 畳はクッション性がよく足音を吸収する効果がある子どもが転んでもケガをしにくい |
セキュリティがしっかりしている | モニター付きインターホンやオートロックなどのある物件がおすすめ |
賃貸物件は持ち家に比べ住み替えがしやすいため、子どもの成長に合わせた部屋へ引越せるメリットがあります。
▼物件を探し始めるタイミングはいつからが理想なのか、賃貸の予約は何ヶ月前からできるのか詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください。
同棲中のカップルで意見が合わない
賃貸物件探しでは、人それぞれ理想が異なるため、仲のよいカップルであってもこだわるポイントの違いによって、意見の衝突が起きてしまうことがあります。
住まいに対する男性と女性が求める条件に違いがあり、お互いを理解するには男女での好みの差にどのようなものがあるのかを知る必要があります。
多くの女性が求める物件の機能は、以下の内容です。
- オートロック
- 屋内洗濯機置き場
- バストイレ別
- 治安の良さ
- 立地
- 日当たりの良さ
- 建物の外観
多くの男性が希望する物件の条件には、以下のものがあります。
- 駐車場の有無
- 間取りの広さ
- インターネット無料
- スーパーなどの商業施設が近くにある
- 周辺の自然環境
男女共通して優先度が高い条件には、以下のものが挙げられます。
- 家賃
- 通勤、通学時間
- 駅までの近さ
男性よりも女性のほうが条件に強くこだわる傾向にあり、特にオートロックなどのセキュリティに関する設備を気にする人が多いようです。
このように、男性と女性の間で希望する条件が異なり、お互いイライラしてしまう原因になっているのかもしれません。
パートナーが物件探しをしてくれない
パートナーのどちらかがどこに住みたいのか興味が薄く、物件探しを積極的にしてくれないと、任されたほうはイライラが多くなります。
「パートナーに物件探しを丸投げされてイライラした」という体験談を紹介します。
パートナーの彼に「同棲する部屋探しお願い!」と一方的に物件探しを任されてしまいました。今年の夏から同棲を考えているのですが、このようなパートナーの発言に違和感を覚えるのは私だけでしょうか?結婚を前提にお付き合いしており、同棲しようという意見がお互いからでました。しかし、部屋探しを丸投げされ驚きました。不動産会社や内見は一緒に行くよね?と聞いても「なんで?」と非協力的でモヤモヤしています。同棲のための部屋探しなので、内見には二人で行くのは当然と思っていたのですが…彼の態度に、ここ最近ずっとイライラしています。ですが、私も彼も初めての同棲で、自分の考え方が少しおかしいのかもしれないとも思い始めてます。 | 女性/ 20代
このようにパートナーから物件探しをすべて押し付けられてしまい、イライラしてしまうケースもあるようです。
賃貸が決まらずイライラしたときにするべきこと4つ
部屋探しで、条件をすべて満たす物件が見つからなかったり、一長一短で候補となる物件が多かったり、さまざまな理由でなかなか決まらずにイライラしている人は多いです。
賃貸が決まらないときの解決策としておすすめの方法は、以下の通りです。
- 引越しの理由を明確にする
- 希望条件に優先順位付けをする
- 家賃の予算を引き上げる
- 不動産会社に相談する
引越しの理由を明確にする
物件を探していると、何のために引越しするのかという根本の理由を忘れてしまいがちです。
部屋が決まらずイライラしているときは、もう一度引越す目的を振り返ると解決策が思い浮かぶかもしれません。
引越しする主な理由には、以下のものが挙げられます。
- 就職・進学
- 上の階や隣の部屋の騒音に悩まされている
- 家賃が高い
- 子どもが成長して間取りが足りない
- 室内設備の不満
- 通勤、通学時間の短縮
- 周辺の治安の悪さ
例えば、近所の騒音に悩んでいる場合は、一軒家の戸建て賃貸を候補に入れるなど、防音設備が整っている物件を優先的に探してみるのもよいでしょう。
また、子どもが成長して広い間取りの物件に引越したいと考えており、家賃が今までより上がってしまうことに悩んでいるなら、築古や駅から遠い物件も候補にしてください。
引越しは月末と月初で費用相場が違うのはご存知でしょうか?
▼引越し費用を抑えて住み替えしたい人は、こちらも参考にしてください。
希望条件に優先順位付けをする
引越したい理由を明確にしたら、次に希望条件の優先順位付けが大切です。
物件が見つけられずイライラしているときは、希望条件が整理できていない可能性が高いため、まずは条件をリストアップして可視化してください。
リストアップしたら、条件に優先順位をつけて低いものから妥協します。
例えば、以下のように譲れない希望条件をリストアップしたあとに、優先順位をつけていきます。
譲れない希望条件のリスト | ||||
風呂トイレ別 | 1LDK以上 | RC造・SRC造 | 35平米以上 | 築年数10年以内 |
駅徒歩10分以内 | オートロック | コンロ2口 | ロフト付き | 都市ガス |
リストアップした条件に優先順位をつけると、次のような結果になりました。
- 駅徒歩10分以内
- 1LDK以上
- 35平米以上
- オートロック
- 風呂トイレ別
- RC造・SRC造
- 築年数10年以内
- 都市ガス
- コンロ2個
- ロフト付き
この例のように、希望条件をすべて可視化すると、優先度が明確になるためイライラが薄れます。
家賃の予算を引き上げる
家賃を低く抑えて理想的な条件の物件を探していると、なかなか見つからずイライラしてしまうことがあります。
理想の物件に出会うためには、家賃の予算を上げる必要があるかもしれません。
そのようなときは、自分の支払える家賃の上限の把握からスタートしましょう。
家賃の目安は一般的に「手取り収入の3分の1」までといわれており、手取りから家賃の上限を算出します。
ただし、毎月の生活費や固定費などの支払いが多い人は、家賃を3分の1よりも低い基準で見積もる必要があるでしょう。
家賃設定を高くすると、物件のバリエーションが増えて選択肢が広がります。
家賃と理想の物件に隔たりがあってイライラしたときは、予算の見直しも検討してください。
不動産会社に相談する
インターネットで部屋探しをしているだけでは、物件は決まりません。
賃貸物件を借りるためには、住みたい地域の不動産会社へ足を運ぶ必要があります。
不動産会社を訪問するとインターネットに掲載されていない物件を紹介してくれたり、悩みの相談にのってくれたりして、イライラの解消につながる可能性があるでしょう。
また、不動産会社の担当者は入居日から逆算して動いてくれるため、物件探しで疲弊する前に契約にいたる可能性も高まります。
しかし、不動産会社によっては不誠実なところもあり、逆にイライラの原因になるケースがまれにあるため注意してください。
賃貸の物件探しでイライラしたときの体験談
不動産会社は、依頼者の希望する物件探しをサポートするのが仕事です。
しかし、まれに顧客よりも、自分たちの利益を優先する不動産会社があります。
そのような不動産会社に物件探しを依頼して、イライラを感じてしまった経験を持つ人がいます。
イライラ度60:内見直前に入居者が決まってしまったと伝えられた
不誠実な不動産会社の対応にイライラしたという体験談です。
すてきな物件があったので、次の日に内見を予約しました。ところが、夜に担当者から連絡がきて「入居者が決まったので内見できない」といわれてしまったのです。その後も2件立て続けに同じことがあったので、別の不動産屋に行きました。 | 女性/30代
1〜3月の繁忙期は物件がすぐに埋まってしまうため、内見直前に他の人が契約を結んでしまうことも珍しくありません。
ただし、内見可能かどうかの連絡や確認が遅い不動産会社で探し続けると、よい物件を逃す可能性が高く、イライラの原因となってしまいます。
イライラ度80:おとり物件
不動産のおとり広告は法律で禁止されていますが、それに近い内容で客寄せをはかる悪徳業者もいます。
インターネット上で賃貸物件を探していると、希望する条件よりさらによさそうな物件があったので問い合わせてみたところ、詳細説明はしてくれず「来店してください」と返信が来ました。実際に来店すると「その物件は決まってしまいました」といわれて別の物件を紹介されましたが、後日同じサイトを見ると埋まっていたはずの物件が公開されたままでした。 | 男性/30代
詳しい説明をしないまま来店をしつこく促されるようなら、客寄せのための物件広告の可能性もあります。
条件がよい架空の物件や契約済みの物件を使って集客するのは、違法行為です。
イライラ度100:内見の予定時間に担当者が遅刻してきた
賃貸物件を探す際、時間にルーズで不誠実な不動産会社の担当者がついてしまい、イライラすることがあります。
内見のために営業の担当者と駅で待ち合わせをしていたのにもかかわらず、時間になっても来ませんでした。営業の担当者に電話すると「少し遅れます」と焦った感じだったのですぐに来ると思って待っていましたが、結局1時間も遅れてきました。謝罪しつつも言い訳がましく誠意が感じられなかったため、内見せずにそのまま帰りました。 | 女性/20代
物件の仲介を依頼する際は、誠実な不動産会社を選んでください。
物件探しで絶対やってはいけないこと
住居が人生に与える影響は大きく、快適で住みやすい居住環境は生活のクオリティを左右します。
そのため、部屋探しは慎重におこなう必要があります。
賃貸物件を探す上でしてはいけないことは、以下の通りです。
- 事前調査なしに物件探しを始めない
- 部屋の内見をしすぎない
- 不動産会社任せにしない
事前調査なしに物件探しを始めない
不動産ポータルサイトなどを使って情報収集せずに、不動産会社を訪問しないでください。
希望条件に合う物件の数や家賃相場などを把握してから不動産会社を訪れるほうが、効率的に部屋探しをすすめられます。
事前にリサーチしてから本格的に物件探しをスタートすると、契約までスムーズに終わらせられるので、イライラせずに物件が探せます。
部屋の内見をしすぎない
多くの物件を内見してしまうと、見る目が養える反面、判断基準が極端に厳しくなってしまい、そのせいでなかなか決まらなくなってしまうことがあります。
多くの物件を見すぎると、何を優先すべきなのかがわからなくなってしまい、決断できなくなってしまうのです。
また、内見に時間を費やしてしまうと、あとから「最初の物件がよかった」と思っても、すでに借主が決まっているケースも起こりうるでしょう。
さらに、物件が決まらないまま引越しのタイムリミットが来てしまい、妥協して物件を選ぶはめに陥ってしまうケースもあります。
内見は多くても5件以内におさめるのが理想です。
不動産会社任せにしない
賃貸物件探しでは、不動産会社に任せきりにしてはいけません。
不動産会社に丸投げしてしまうと、求める条件とまったく違う物件を紹介されてしまう可能性もあります。
不動産会社にとって部屋探しに興味を示さない顧客は、長期間空き部屋だったような不人気の物件を紹介しやすい相手です。
物件探しで疲れてイライラしていたとしても、譲れない条件だけは必ず伝えて、不動産会社主体で話しをすすめさせないようにしましょう。
まとめ
賃貸が決まらずイライラしてしまう原因と、物件探しでやってはいけないことを紹介しました。
- 賃貸物件は、探し始めから契約までに1ヶ月以上かかる人が全体の約3割いる
- 賃貸物件探しは、女性のほうがこだわりが強い傾向にある
- 賃貸が決まらなくてイライラする理由には、「ファミリー向けの物件が少ない」「カップルで意見が合わない」「パートナーの一方が部屋探しに無関心」などがある
- 賃貸が決まらずにイライラしたときは、引越し理由を明確にすると解決策を思いつく可能性がある
- 賃貸が決まらずにイライラしたときは、希望条件に優先順位を付けると決まりやすい
- 賃貸が決まらずにイライラしたときは、家賃の予算を上げて選べる物件の範囲を広げる
- 物件探しでやってはいけないことは、事前調査なしで不動産会社を訪問しない
- 物件探しでやってはいけないことは、不動産会社に丸投げして、自分の希望条件をしっかり伝えないこと
賃貸物件探しは、なかなか決まらずにイライラしてしまうこともあります。
しかし、注意点を守りながら探せば、イライラすることなく納得できる物件に出会えます。
この記事が、賃貸が決まらずイライラしている人の、お部屋探しの参考にならば幸いです。
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