都会での生活は騒音や混雑が日常的で、情報が多く変化が速いため、高いストレスを感じる人もいます。
そのような環境に嫌気がさし、田舎に移住して自然とふれあいながらのんびり暮らしたいと考える人が増えています。
しかし、田舎に移り住んで後悔したという声もあり、都会とのギャップに戸惑う移住者もいるようです。
この記事では、田舎暮らしのメリットとデメリットをランキング形式で紹介し、移住して後悔しないための対策をお伝えします。
田舎への移住の関心は高まっている
近年、都会の雑踏を離れ、田舎で生活したいと考える移住希望者が増えています。
一方、人口減少に悩む地方の自治体は、新たな住民を迎え入れ地域を活性させたいと願っています。
このように両者の思いが一致して、田舎移住への関心が高まりました。
田舎への移住は30代以下の若者世代が興味を抱いている
NPO法人ふるさと回帰支援センターの移住に関する相談件数は、2008年からの10年間で約17倍に増加しています。
農林水産省 移住のすすめ 資料提供/認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
特に30代以下の相談は50%を超えており、若者世代が田舎への移住に興味を抱いていることがわかります。
引用元:農林水産省 移住のすすめ 資料提供/認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
田舎へ移住したいと思った理由
高知市が2021年に行った、全国の20〜60代の男女1766名を対象にした地方移住に関する意識調査で、田舎へ移住したいと思った理由のランキングは次の結果になりました。
この調査から移住希望者の「自然の中でゆったりと生活したい」という願望が伺えます。
ただし、実際に田舎で生活してみるとイメージとのギャップを感じて、後悔する人も多くいます。
田舎への移住を後悔!想像と違ってうんざりする理由ランキング
田舎生活に憧れて移住する人の中には、都会の生活にはない不自由さを経験し後悔する人がいます。
地方への移住で失敗しないために、事前にデメリットについて理解してから決断する必要があります。
田舎への移住のデメリットTOP5
田舎には都会では想像できないその土地ならではの生活様式があり、ギャップに戸惑う移住者も多いです。
地方に移住して後悔する田舎暮らしのデメリットTOP5をお伝えします。
1位:仕事が少なく選べない
田舎は都会に比べ仕事の選択肢が限られてしまい、自分が持っている技能や業界の知識が活かせる職種がない可能性もあります。
そのため、地方で再就職する際に今まで培ったスキルと違った職業に就くケースもあり、結果的に収入が減少してしまうおそれがあります。
田舎への移住計画は、職業選択の幅が狭まることや収入の低下を折り込んで立案する必要があるでしょう。
2位:地域の人との付き合い
移住者の中には、田舎ならではの人付き合いに戸惑う人もいます。
都会にはあまりない地方での近所付き合いには、以下のものが挙げられます。
- 寄り合いや会合が頻繁に行われる
- 近所付き合いが密接である
- うわさ話が広がりやすい
- 閉鎖的な人間関係が形成されやすい
都会からの移住者が地域のコミュニティと良好な関係を構築するには、これらの状況を受け入れる必要があるでしょう。
3位:自然環境が厳しい
田舎暮らしは自然との距離が近く、都会では味わえないリラックスした環境での生活が可能です。
一方、豊かな自然は移住者の生活にマイナスにはたらく場合もあります。
都会から田舎へ移り住んだ人が直面する厳しい自然の一面には、以下のものが挙げられます。
- 虫害・獣害対策
- 草刈りなど雑草の処理
- 雪かき など
自然環境への対応は体力や気力が必要で、都会とのギャップをもっとも感じるポイントの一つです。
4位:商業施設が少なく不便
田舎は都会に比べ商業施設が少なく、スーパーやドラッグストアなどの生活必需品を購入する場所が近隣にない場合があります。
また、学校や病院が近くになく、子供の通学や病気の対応に大きな負担が発生するケースも考えられます。
田舎への移住で後悔しないためには、買い物の利便性や公共施設までの距離などを考慮して検討する必要があるでしょう。
5位:移動には車が必要
都会は公共交通機関が発達しているため、車を所有する必要はありませんでしたが、多くの地方では通勤や買い物などの移動手段にマイカーが必需品です。
車は購入や維持に多くの費用が必要で、都会での生活にはない支出が発生します。
移住を希望する人の中には車の運転になれていなかったり、免許を持っていなかったりするケースがあり、車なしでは生活がしづらいことが移住へのハードルになっています。
▼車なしでも快適移住生活ができる地域について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
田舎への移住のメリットTOP3
住みなれた都会を離れ田舎へ移住する決断をした人には、移住先でさまざまなメリットが待っています。
地方移住で得られるポジティブな特徴をランキングでお伝えします。
1位:豊かな自然を身近に感じられる
田舎暮らしは、都会では味わえない豊かな自然を身近に感じられる大きな魅力があります。
騒がしい都会とは異なり、広大な緑に囲まれて四季のうつろいを体感しながら毎日を過ごせます。
また、子供にとって自然の中で思い切り体を動かして遊んだり、自然とふれあいながらさまざまな経験を積んだりすることは、成長によい影響を与えるでしょう。
さらに、地域社会のあたたかな人とのつながりも、子供の社会性を育むのに役立ちます。
安全で心地よい環境は、大人と子供の両方に心の充足感をもたらしてくれます。
2位:広い土地を安価に取得できる
田舎は都会に比べ地価が安いため、広い土地を購入し、ゆったりと住める大きな家を建てられます。
2024年3月26日に「令和6年の公示地価」が発表され、日本全国の1㎡あたりの公示地価は25万5,738円でした。
都道府県別の平均公示地価の上位10都府県と下位10県は、以下の通りです。
地価は、東京都をはじめ大都市がある都道府県ほど高い傾向にあります。
土地の価格が安い移住先を選べば、より少ない資金で広い土地の購入が可能です。
3位:静かな環境で生活できる
満員電車のストレスから解放される生活を、都会に住む人の多くが望んでいます。
田舎では通勤ラッシュがなく、鳥の声や虫の音を聞きながら静かに生活がおくれます。
移住希望者にとって静かな環境は、田舎の生活でもっとも手に入れたいものの一つでしょう。
田舎に移住して後悔しない人の特徴
田舎暮らしは都会の生活様式と異なる場合が多く、ギャップに対する意識の違いで移住に向いている人と向いていない人に分かれます。
地方に移住して後悔しない人の考え方の特徴には、以下のものがあります。
- 田舎に暮らす明確な目的を持っている
- 自分から積極的に行動できる
田舎に暮らす明確な目的を持っている
田舎に移住して後悔しない人の多くは、明確な目的意識を持っています。
- 恵まれた環境で子供を育てたい
- 地元の人たちと交流を深めたい
- 地域の活性化に貢献したい など
このような都会では成し遂げられない目標を持って移住する人は、田舎の生活になじんで満足のいく生活をおくっている人が多いです。
自分から積極的に行動できる
地方移住に成功している人の共通点として、自分から積極的に行動していることが挙げられます。
地元の人は移住者をお客様ではなく、ともに地域の発展に貢献するパートナーととらえています。
地元の人が移住者に期待していることは、以下の通りです。
- 厳しい自然環境を前向きにとらえ、地元の人たちと協力して地域の生活向上に貢献してほしい
- 地域のイベントに参加して関わりを持ってほしい
地元の人の気持ちに応える行動は地域社会とのつながりを深め、結果的に田舎暮らしの満足度を高めます。
田舎への移住に失敗して後悔する人の特徴
地方に移住して後悔する人には、イメージとのギャップを強く感じてしまう傾向があります。
都会の人が田舎暮らしに失敗する理由には、次の内容があります。
- 田舎の生活費は意外に高い
- 都会の感覚を引きずって生活してしまう
- 地域の人と積極的に交流しない
田舎の生活費は意外に高い
田舎の生活費は都会より安くすむというイメージがありますが、実際に住んでみると予想よりも高いという感想を持っている人もいます。
総務省統計局が発表している都道府県別1世帯あたり1カ月の平均消費支出は、以下の通りです。
1カ月の消費支出が東京よりも10万円以上低い県もありますが、多くの都府県は大きな差がありません。
東京よりも消費支出額の高い県もあり、この調査から田舎に移住しても大幅に生活費を抑えられない可能性があることがわかります。
都会の感覚を引きずって生活してしまう
田舎に移住したら都会での生活習慣や価値観を持ち込まず、地域の慣習に合わせて生活する必要があります。
「都会ではこうだった」などの言葉を頻繁に口に出してしまうと、地元の人との間にわだかまりが生じてしまう可能性があります。
地域の人たちが大切にしている価値観を尊重し、理解を示すことは良好な関係を構築するための重要事項です。
移住先では都会の感覚を引きずったまま生活しないようにしましょう。
地域の人と積極的に交流しない
田舎では都会に比べて共同体意識が強いため、住民同士がより深い関係性でつながっています。
そのため、移住者が地域の人と積極的に交流する姿勢を見せないと、反感をかってしまうこともあるようです。
田舎では共生の精神がコミュニティを支えており、近所同士の助け合いが生活をうまく回すための基盤になっている地域もあります。
他人と関わりを持つのが苦手な人は、移住して後悔するかもしれません。
田舎への移住に失敗して後悔しないための対策
田舎の豊かな自然環境や人とのあたたかいつながりは、場合によってはデメリットに変わる可能性もあります。
移住を成功させるには意識を切り替え、積極的に自然や地元の人たちと関わっていく覚悟が必要です。
田舎への移住に失敗しないための対策には、以下のものがあります。
- 事前にリサーチする
- 田舎暮らしのお試しを体験する
- 2段階移住を検討する
事前にリサーチする
田舎への移住に失敗しないためには、事前にリサーチして自分の望むライフスタイルや移住の目的が実現可能な街を選定する必要があります。
田舎暮らしを成功させるためにリサーチする項目は、以下の通りです。
- 土地の気候
- 求人の種類
- 地域のイベント
- 学校や病院の立地
- 商業施設の数
- 公共交通機関 など
移住候補地の地域特性を調べて、自分にもっともふさわしい地域を選んでください。
田舎暮らしのお試しを体験する
自治体の中には移住希望者を対象に、田舎暮らしのお試し体験ができるところがあります。
本格的な移住の前に短期滞在して住み心地や地域の特性を体感できれば、後悔のない田舎暮らしにつながります。
実際に移住したときの感覚をつかむため、可能であれば夏と冬の2回お試し体験をするのが理想です。
2段階移住を検討する
2段階移住とは、本格的な田舎への移住前に同エリアの比較的都市部に一定期間居住し、地域の特性をつかんだところで目的の地域に定住する方法です。
例えば、東京から茨城県北部の山あいに移住しようと計画した場合、以下の2段階のステップを踏んで移住します。
- 水戸市などの地方都市に移住して、地域の特性を体感・情報収集して本格的な移住に備える
- 定住したいという思いが揺るがなければ本格的に移住する
移住したあとでその地域に合わないと気づくことが後悔の原因になるケースが多いため、2段階移住はミスマッチを防ぐために有効な手段です。
田舎への移住を後悔!想像と違う生活にうんざりしたことランキング発表まとめ
田舎移住への関心が高まっていますが、実際に住んでみるとイメージとのギャップから後悔を感じている人も多くいます。
地方への移住の現状と後悔する人の特徴について解説しました。
- 30代以下の若者世代が田舎への移住に関心を持っている
- 田舎の移住には仕事の種類が少ないことや人間関係の煩わしさ、自然環境が厳しいなどのデメリットがある
- 田舎には豊かな自然を身近に感じられることや土地の価格が安い、静かな環境で暮らせるなどのメリットがある
- 田舎に移住して後悔しない人は移住の目的が明確で積極的に行動できる特徴がある
- 田舎の移住に失敗して後悔する人は都会の感覚が捨てきれず、地域の人と積極的に関わらない傾向がある
- 移住に失敗しないためには、事前にリサーチを徹底してお試し体験や2段階移住などを利用するとよい
田舎への移住に希望を抱いている人が後悔しないために、この記事がお役に立てれば幸いです。
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